2010年夏からは海外目線で日本の魅力を探求するため、現地セレクトショップのバイヤーや現地旅行会社の日本担当者、現地のメディア編集部にインタビューしていきました。私が20代に日本企業が海外進出するためのマーケティングリサーチやレポート作成業務で30カ国以上まわって学んだこと、それは業界やテーマの動きを知るには複数のキーパーソンと直接会って意見交換し自身の中で仮説を組んでいくこと。
バイヤーや旅行会社からすれば日本のものは選定対象の1つであって無理して選ぶ必要もなく、またすでに棚に埋まっている商品をリプレイス(取り替える)価値があるものでなければ新たな仕入れ商品として取り扱う理由は見当たりません。
バイヤーを惹きつけるものは何か?
商談に何を用意すればいいのか?
この答えを求めて仮説を立て様々事業を企画・運営する中で中央行政支援事業に関わる機会をいただきました。
ある事業では「日本らしさを感じる商品」を基準に2000近い商品から500に絞り込み日本を代表する選りすぐりの商品として海外PRを実施。
また翌年は伝産法に基づく伝統的工芸品にフォーカスした海外PR事業を実施させていただきました。
PRツールのストーリーブックは海外の著名ブランドや美術館から商品の詳細を知りたいとお問い合わせを多くいただく結果になりました。
私たちはモノを作っていません。伝え方を変えただけです。
商品そのものももちろんですが、伝え方がいかに大切なのか?
をこれらの事業を通じて学びました。
その後、地域の課題解決のサービスをしたいとの思いから全国47都道府県を訪れ180カ所以上の生産事業者や地元行政の方々と現状の課題、悩み、期待について意見交換を何度も何度も重ねてきました。
日本の地域産品に直接触れ、作り手の想いを伺いながらかつてない驚きとワクワクが深い感動とともに身体中を駆け巡ります。
そしてあらため日本の自然環境や歴史、先代の知恵を学びながら偶然であり必然に生まれた地域の産品に出会えたことへの感謝と敬意が生まれてきました。
しかし市場に届けるには地域産品ゆえの様々な課題が存在しています。
「作り手と出会えない」
「作り手が自身の思いやこだわりを語らない」
「手作りのため大量生産ではない」
「商品の温度管理が難しい」
「賞味期限は短い」
インターネット、物流、人材ネットワークなど今の時代の恩恵を素直に受け入れ考え抜く中に私たちは地域とグローバルな市場を直接つなぐ緒(いとぐち)を見つけ出すことにしました。
「地域が誇るコンテンツを選ばれる理由とともに世界に届けたい」
「地域の多様性を世界中で楽しめる仕組みを作りたい」
「職人の技で世界を驚かせたい」
「地域と職人の価値を世界目線で再評価し地域にそして後世に還元したい」
この強い想いで「仕組み」の改善を繰り返しながらJapanPageは地域産品の魅力を世界中で体験できるサービスを目指して取り組んでいます。